晴れてCAになったら、すぐにフライトができる訳ではありません。

まず新入訓練を乗り越えることが必要です。

ドラマなどで訓練をご覧になったことがある方も多いののではないでしょうか?

訓練ってあんな厳しいんだろうか・・・怖いな・・・と不安に思っていらっしゃるかもしれません。

元ANAのCAだった私が、ANAの新入訓練について詳しくお話しいたします!

本記事の内容
・CA入社後の流れ
・CAの過酷な新入訓練の内容
・超スパルタな訓練で得られるもの

3分ほどおつきあいください。

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ANA客室乗務員の新入訓練|1人前になるために。

入社後の訓練の流れ

入社後の流れとしては、このようになっています。

入社後の流れ

①新入社員研修(約4日)
②新入訓練(約2ヶ月)
③OJT(数回)

入社後、研修を行った後、過酷な訓練が待っています。

約2ヶ月、座学やモックアップでのロールプレイングなどで、保安やサービスについて学びます。

そして辛い訓練が無事終了したら、訓練生として実機でフライトするOJTと呼ばれるものを行い、晴れて合格したら、1人前のCAとしてフライトできるようになります。

CAの過酷な新入訓練内容

訓練の前の研修では、ANAの理念や目指すものをひらすら教え込まれ、同期とコミュニケーションをとり、チーム力を向上させ、人間性を高めるのが目的です。

その後辛い辛い2ヶ月の訓練が始まります。

主なカリキュラム

1、サービス(座学・実技)
2、保安(座学・実技)
3、英語(座学)
4、メイク・立ち居振る舞い

1、サービス(座学、実技)

CAは接客のプロと言われていますよね。

訓練では、まず座学でサービスの流れを学び、実際にモックアップと呼ばれる機内をそのまま再現した場所で、カートを使ってドリンクサービスをしたり、機内販売のやり取りをしたりします。

2、保安(座学・実技)

CAの新入訓練といえば、接客の訓練が多いのではと思われがちですが、実は保安の訓練がほとんどで、サービス訓練は少しだけなんです。

座学で、何ページもあるマニュアルを元に、客室乗務員として大切な安全に関することを学んでいきます。

その後モックアップで、通常時と非常時のドア操作、離陸着陸前のお客様の安全チェック、緊急着陸水になった場合の処置、火災などの非常時のシミュレーション、急病人のお客様の対応などなど、様々な緊急時を想定して訓練を行なっていきます。

ドラマでも一度は見たことがある方もいるかもしれませんが、大声を出してお客様を誘導したり、スレイドを滑ったりと、非常に緊迫した雰囲気で行なっています。

3、英語(座学)

CAには語学も重要です。

外国人の講師による授業が行われます。

実際にサービスや保安、緊急時などにお客様に使える英語を学んでいきます。

座学ですが、楽しく学べるので、訓練中でも一番リラックしてできるんです。

4、メイク・立ち居振る舞い

プロのメイクアップアーティストの方による、メイクアップ講座が一回だけ行われます。

機内で映えるメイク、適切な髪型などを学びます。

また立ち居振る舞いに関して、姿勢やお辞儀の仕方など、鏡の前でチェックしたりします。

新入訓練で得られるもの:1度は泣く訓練

愛のあるインストラクター

訓練は2~3名の同じ現役CAのインストラクターがずっと訓練を担当します。

インストラクターは、ある役割があると言われ、「怖い人」「調和する人」「優しい人」に分かれているという噂があります。

インストラクターは非常に厳しく、怒られて、訓練生が号泣することもしばしば。しかしそれは愛のムチで、多くのことを教えてくださいます。

絆が強い訓練同期

訓練は約20~30人の訓練同期と共に行います。

月〜金曜、朝から夕方まで約2ヶ月間、共にこの厳しい訓練を乗り切った仲間たちの絆は非常に強いです

定期的にテストがあり、それに合格できないと、再テストがあり、それもできないと再々テスト・・・と合格するまで行います。

そのテストに合格するために同期全員で練習に付き合ったり、一緒に泣いたり、悩みを相談したり・・・と大切な友人になるんです。

しかし、この厳しい訓練に耐えられず、辞めてしまう人も稀ですが、いると言います。

約2ヶ月の訓練は、CAとしての保安やサービス業務を学ぶだけでなく、忍耐力や緊急時などの対応などを身につけ、人として成長し、1人前のCAになるための大切なことをたくさん学ぶことでができます

新入訓練だけでは終わらない

ドキドキのOJT

無事新入訓練を終えたら、次は緊張のOJTです。

訓練生バッジをつけ、新入訓練とは別のインストラクター(OI)と一緒にフライトをし、合格に向けて奮闘します。

訓練生ですが、そのOIが行う機内業務や安全業務、サービス業務などをすべて行いますので、お客様からするとCAと変わりありません

OIから様々な指導を受けます。このOIさんによってOJTがどうなるか変わるんです。つまりは優しい人ならすんなり合格、意地悪な人だとなかなか合格できない・・・という同期もいました。

ずっと続く訓練

OJTに合格し、1人前のCAとしてフライトし始めても、まだ訓練は続きます。

緊急訓練と呼ばれる安全のための訓練は、全CAが1年に1度必ず行います。これはパイロットと合同です。

その他、国際線の乗務の際、ビジネスクラス、ファーストクラスの乗務の際、新しい機材の乗務の際など、様々な場面で訓練が行われます。

新入訓練ほどではありませんが、CAにとって訓練はずっとついてくるものなんです。

まとめ:新入訓練は一生忘れられない経験

本記事の内容を5行でまとめます。

本記事のまとめ

・2ヶ月の新入訓練はとにかく厳しく辛い
・保安に関する訓練がほとんど。
・1度は泣く。でも、大切な仲間ができる
・OJTはOIによってピンキリ。
・CAである限り続く訓練

1人前のCAになるためには、厳しい訓練を乗り切らなくてはいけません。

約2ヶ月ですが、同期と切磋琢磨した日々や、辛くて泣いてしまった日々は、今思うと良い思い出で、一生忘れられません

皆さんもCAになったら、大切な同期と一緒に訓練を乗り越え、フライトを楽しんでください♪