客室乗務員の仕事と聞くと、1番に思いつくのが機内食のサービス。後は、トイレの掃除?フライト中のコールボタンの応答など?

いえいえ、客室乗務員たちはお客様の見えないところでもっと多くの仕事をしています。お客様の立場では、離陸から着陸がフライトですよね。でも、私たちは何時間も前から出勤しているのです。そして食事サービスと一言で言ってもその終始には忙しく複雑な仕事内容がからんでいます。 

実際にはどんな仕事をしているのでしょうか? 

(なお今回の記事は、私の経験上のお話になりますので、各航空会社によって違いがあることをご了承ください。) 

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客室乗務員の「意外な」仕事内容5選

離陸までにはもうへとへと?

ブリーフィング

客室乗務員の平均出勤時間はフライト出発時刻の約2時間以上前です。出勤したらその日に一緒に飛ぶ乗務員と挨拶を交わし、ブリーフィングを行います。ブリーフィングの内容は主に「フライトの情報」、「お客様の層」、「機体情報」などで、非常事態の時の流れなどをもう一度リマインドしていきます。

これが終わり次第、機内へと向かいます。 

お客様が搭乗されるまでの準備

機内に到着したらまずはサービスの準備を始めます。

・機内食が人数分搭載されているかのチェック
・サービスアイテムが搭載されているか確認
・イヤフォン、アメニティを座席に配る

簡単そうに見えますが、機内の座席は約200300席、大きい機体になるとそれ以上です。その座席ひとつひとつにセッティングすると考えてみてください。大量な数です。 

離陸後の仕事は?

機内食のカート作り

皆さん、機内食の香りが機内に漂ってくるのに乗務員はなかなかこないと思ったことありませんか?私たちが必死に準備していると、ギャレーに来て「食事はまだですか?」という質問をよく受けます。

食事のサービスが始まる前には私たちが自ら食事の準備をします。カートの中に入っている食事トレイにオーブンで温めている食事を一つずついれていきます。温める前は半分凍っていたりして、温めた後に水滴がたくさんついていることも。

食事のパッケージは濡れていないか、中のソースがこぼれていないかなど念入りにチェックしながら準備していきます。 

コックピット

フライト中にはコックピットを頻繁にチェックするのも仕事の一つです。彼らに機内食を準備したり、飲み物をだしたり。もちろん自らギャレーに来る人もいますが、基本的には私たちが担当します。

また、安全保安の面で頻繁にコックピットを訪問することになっています。機内同様、こまめな確認は必須です。 

ギャレー準備・整理

サービスが終わっても私たちの仕事は終わりません。

まずはサービスしたものを綺麗に整理してしまうこと。ギャレーにはアイテムごとに保管する場所が決まっています。誰でも何がどこにあるのかすぐ分かるようにするためですね。またインバウンドのフライトのために準備するものもあります。

例えばアメリカ線では、到着前にお酒類は全て残数を記入し、カートごとロックします。このように路線や到着地によって客室乗務員がしなくてはいけないことも変わってきます。 

フライト中に客室乗務員が使う専門用語3つ

 

「ブリーフィング」って怖いイメージ、詳しく教えて!

 ブリーフィングはフライト前に必ず行われます。その日のフライトについての皆の認知度が同じであることを再確認するためでもあります。

サービス面においては、VIPFrequent Flyerの情報共有を行います。あるお客様は白ワインに氷を入れることを好んだり、1回目の食事サービスの時間には寝ることを好んだり、そういった情報がある場合は共有します。

 また、安全面においては(ブリーフィングの大事なのはここです!)その月のトピックを話し合ったりもします。例えば「火災」がテーマであれば、ギャレー内のオーブンの火災、手荷物の火災、携帯電話の火災等、様々な状況が考えられます。どの非常用設備を使用し、どうやって対処するのかなど詳しく話します。安全に関しては厳しく、知らないとフライトができなくなる場合もあります。                                                                                              

「ラバチェック」します!新人の時こそこれが大事!

サービスが終わり次第、まず行うのが「ラバチェック」、お手洗いのお掃除です。英語のLavatoryチェックの略称ですね。お手洗いを綺麗にするだけでなく、安全・保安チェックとしてチェックする項目がいくつかあります。どの会社も大抵30分に1回チェックするのが基本です。

 特にシニアリティを重視するエアラインでは、新人のお仕事だったりもします。私の経験上では、新人だった頃に同期が一生懸命ラバチェックをしているだけで、なんとお客様からお褒めの言葉を頂いたことも!清潔な機内を保つことは、お客様に安心感をもたらします。

 「レスト」行ってまいります!客室乗務員も休憩している?

フライト時間が長い場合は、私たちも交代で休憩を取ります。その時に使う言葉「レスト」英語のRESTのことですね。機体によっては機内に客室乗務員用の簡易ベッドのようなものがあります。フライトが比較的忙しくないサービスとサービスの合間に、数時間の休憩をとることが許されています。 

最初は狭いし埃っぽい簡易ベッドも、慣れてしまえば私たちにとっては天国のよう。忙しいフライトでは離陸前から休憩に行くことを考えてしまう、、なんて客室乗務員の心の声が聞こえてきます。 

まとめ|CAたちの仕事内容:基本たちっぱなし

 

客室乗務員の仕事内容は、ブリーフィング、搭乗前の準備から、機内食カートとギャレーの準備・整理、そしてコックピットのお世話まで幅広くカバーしています。

客室乗務員は思ったより体力的にも大変なお仕事です。12時間のフライトでは少なくとも7~8時間は立ちっぱなしです。更にサービス中には重たいカートを引き、しゃがんで立ってスクワットをしながらのサービスです。そして、拘束時間は20時間程でしょうか。

 そんな大変な思いをしても、まだまだ人気な職種ですよね。それだけ魅力も多いお仕事です。客室乗務員を目指す皆さん、次に飛行機に乗る際には以上のことを思い出しながら客室乗務員の仕事を観察してみてください。