高倍率の採用試験を通過する必要があり、憧れの職業と言われるCA。
やっとの思いでCA試験に合格した人でも、意外とあっさり退職を選ぶことが多いです。CAは女社会ですし(特に日系航空会社)体力勝負なのでやはり厳しい側面があることは否めません。
CA退職の理由には転職、結婚、家庭の事情など、さまざまな理由が存在しますが、退職は波風立てることなくスムーズに事を運びたいですよね。
・CAを穏便に・スマートに辞める手順5ステップ
・退職理由の上手な説明と賢い有給消化プラン
日系航空会社2社での退職経験を活かして、CAを辞めるためのスマートな退職の仕方と、本音と建前を上手く利用したおすすめの退職理由をご紹介します。
これからCAを目指す方はあまり読まないでくださいm(__)m
CAを穏便に辞める手順5ステップ
ステップ1:退職する時期を考える
一般の会社でも繁忙期を避けての退職をするべきといった意見が多くありますよね。実は航空会社、特に客室部では同じように退職を避けるべき時期というものが存在します。
それは「新年度の前後」の時期になるのですが、航空会社によって新年度の時期は違っていたりするのです。筆者の勤めていた日系航空会社の新年度は4月ではなく5月でした。なぜこの時期を避けて退職すべきかというと、ちょうど新年度を基準にCAフライトグループの編成があるからです。
CAは通常グループに所属し、メイン担当路線なんかも1年ごとに変わります。例えば、去年はAグループに所属し担当路線はニューヨーク、今年はBグループに所属され担当路線はパリに変更、という具合です。
所属グループや担当路線変更のため、会社は2〜3ヶ月前からその準備に取り掛かるため、新年度前後に退職することは、周りに「会社に迷惑」と思われてしまう可能性があります。もちろん、さまざまな理由で新年度前後に辞めければならない方も存在すると思います。
そのような方は早めに会社に退職報告をすることで、会社側も予め退職者が出る上でのグループ編成ができますので「会社に迷惑」というレッテルは避けられます。
ステップ2:最低2ヶ月前には会社に報告
退職をする時期を決めたら遡って2ヶ月前には会社に退職の旨を伝えましょう。
CAのフライトスケジュールは通常1ヶ月先まで管理されている状態ですので、最低でも2ヶ月前までに報告することが望ましいです。辞める事をまずはグループのチーフやマネージャーに伝えるのですが、その後実際に退職届が受理され手続きの手配までに1〜2週間かかります。
ですので、2ヶ月という期間はスケジュールを管理する会社側にとっても、退職するにあたりさまざまな書類の手続きを済ませなければならないCA側にとっても十分な期間だといえます。
現役CAの時、退職の旨を1ヶ月前にした後輩CAがいて、そのことでチーフCAや先輩CAからお説教をされている現場に遭遇したことがありました。先輩CAたちからのお説教は日常茶飯事のことなのですが、退職する時まで続くなんて誰だって避けたいですよね。退職が決まったら最低でも2ヶ月前、可能なら3ヶ月前に会社に報告しましょう。
報告するべき相手は、まず自分の所属するグループのチーフが最初で、その後マネージャーという順番です。CAは縦社会文化が根強い会社が多いですので、報告する相手と順番をしっかりと配慮してください。
ステップ3:必要書類の手続き、制服返却の準備
これは一般の会社と同様、CAももちろん退職の際に書類の手続きが必要です。
具体的には会社から○○の提出をしてくださいというような案内があるので、それに従えば問題はないです。ただ、CAの場合は貸与されていた制服やマニュアル類など、会社への返却物が存在します。
このような返却物は退職をしてから後日再び会社に訪れて返却する必要があります。というのも、制服やマニュアル類は基本的に「紛失」してはいけないものとして認識されており、返却時にはしっかりと確認がされるからです。もし紛失してしまった場合は「紛失届」を提出しなければならず、場合によっては罰金の発生もあります。
ですので郵送や宅配での返却は認められてはおらず、必ず会社へ行くことになります。返却すべき貸与物は全て完璧にそろえ、一度に返却しましょう。そうでなければ退職したはずの会社に何度も足を運ぶことになり、時間も交通費も無駄になります。
ステップ4:挨拶
退職するにあたり、お世話になった方に挨拶をしておきましょう。CAは毎回違いうメンバーとフライトしたりスケジュールも不規則なので、お世話になった先輩CAに挨拶したくても会社でなかなか会えないということがあります。
SNSやメッセージで退職の報告をするのも便利で良いと思いますが、お世話になった先輩CAにはやはり直接挨拶をしておきたいですよね。「あとで報告しよう」と思っていても、退職日まで全く会えることもなく過ぎていく可能性が高いですので、退職が決まったら早めに先輩CAには挨拶しておくのがベストです。
もちろん、誰にでも挨拶する必要はなく、自分が本当にお世話になって感謝をしている先輩CAや同期、後輩CAなどへの挨拶だけで大丈夫です。退職のことをあまり周りに知られたくない場合は、退職日ギリギリまで隠しておくことも可能ですが、CAという特質なスケジュール上、会えた時に直接挨拶をしておく事が無難だと思います。
ステップ5:引継ぎ
CAという仕事は、毎フライトごとに業務が区切られるので退職にあたり引継ぎが必要になることはあまり存在しません。
しかし、フライト以外に所属グループで取り組んでいる活動や、他部署と連携して業務をしていることもあります。もし自分がそれらに参加していたり、役職を与えられているとしたら、予め引継ぎをしておく必要があります。
ただ口頭で引継ぎが終わる場合もあれば、書類の作成が必要な場合もあるので、具体的な引継ぎ内容や方法は、リーダーとなる人物へ指示を仰ぐ事をおすすめします。
退職理由の上手な説明と賢い有給消化プラン
本音と建前、おすすめの退職理由
CAを退職する理由はさまざまですが、大体のケースは転職、結婚もしくは出産が挙げられます。中には「次の仕事は決まっていないけど、健康上の理由で」という方もけっこういます。
いずれにしても退職理由には本音と建前が存在しますが、やはり辞める理由はポジティブな方が周りへの印象も良いですよね。例えば転職の場合は「航空会社以外に実は○○という業界に興味がある」や「英語をもっと使う環境に身を起きたい」といった前向きな理由が挙げられます。
退職する会社のここが嫌だから他の会社に転職するのではなく、「○○に挑戦できる転職先」という風な理由を説明する事で周りもスムーズに納得するでしょう。
これは結婚や健康上の理由などで退職する場合にも言えることで、とにかく前向きな退職である事を伝えるようにしましょう。
「CAは大変だしもう働きたくないから結婚を機に辞める」ではなく、「家庭を優先させるために残念だが退職を選んだ」とか「結婚後に相手の転勤がある可能性があるのでそれを支えたい」などあくまで退職後にこうなりたいからという理由にすることがポイントです。
ステップ1.5:有給消化
上記で5つのステップを挙げましたが、ステップ1と2の間に有給消化についてを追加します。これは会社の有給消化の取りやすさにもよりますので、必ず必要なステップではありません。
退職日に合わせて有給を全て消化できる会社でしたら問題ないのですが、そうでない航空会社の方が多いと思います。そのため、退職の時期を決めたら早めに有給申請をして退職までに消化するようにしましょう。
CAはシフト制の勤務ですので、取りたい時に有給が取れない可能性もあり、結局退職までに使い切らなかったということになりかねません。しっかりと有給を消化しなければもったいないですよ!
まとめ|CAのスマートな辞め方
CAを退職するにあたりこれら5つのステップを踏む事でスムーズな退職につながります。職業柄気を遣うことの多いCAですので、退職時も周りの目を気にしてあれこれ考えてしまうかもしれません。
穏便に退職をするため上記5つのステップを考慮し、さらに有給もしっかりと消化したいですね。ただ、退職にあたり事情や都合は人それぞれです。退職の知らせは2ヶ月前にはすべきと述べましたが、どうしても無理な場合は仕方がありません!
法律では退職の知らせは2週間前までですので、それさえ守れれば良いのです。自分の都合も優先させつつ、スムーズな退職を進めてくださいね。
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