ANAやJALのCAは、入社してから数年は国内線のみですが、その後は国内線と国際線をマルチにフライトしていきます。

国内線と国際線は、どちらも大変な仕事ですが、CAにとって様々な違いがあるんです。

本記事の内容

・国内線と国際線の1日スケジュール
・国内線と国際線の5つの違い
・国内線と国際線のそれぞれの良さ・メリット

元ANA客室乗務員が国際線と国内線の裏側なども一緒にお話ししますね♪ 3分ほどおつきあいください。

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CAの1日のスケジュール(国内線・国際線)

国内線(ドメ)

ANAのCAは、国内線をDomestic から『ドメ』と呼んでいました。そしてドメでは、朝の早い『早パタ』と昼からの『遅パタ』の2種類があります。

また、平均1日3〜4本フライトしています。

ある国内線の1日
6:50  出社時間
羽田空港→千歳空港
千歳空港→羽田空港
羽田空港→伊丹空港(ステイ)
15:05 オフタイム、ホテル到着

国際線(インター)

国際線は『インター』と呼んでいました。インターは、中国などの短距離、東南アジアやハワイなどの中距離、欧米やヨーロッパなどの長距離に分かれていました。

ある国際線の1日(成田→ニューヨーク)

9:20  出社時間
11:00  離陸
*フライト時間約13時間(時差マイナス7時間)
10:45(現地時間)到着
11:30(現地時間)  オフタイム、ホテル到着

客室乗務員のハードな仕事内容をもっと知りたい方は以下をどうぞ。
CAの仕事がどれだけキツイかって?超過酷ですよ【どこでも寝れる人向け】

国内線(ドメ)と国際線(インター)の違い5つ

5つの違い

1、サービス内容の違い
2、事前準備の量の違い
3、ステイの過ごし方の違い
4、体力的な違い
5、精神的な違い

1、サービスの違い

ドメとインターで大きく違うのは、機内サービス内容です。

ドメの場合は、プレミアムクラスと一般席の2種類。プレミアムクラスは、ボックスのお弁当とドリンクサービス、一般席はドリンクサービスのみで、その他機内販売があります。

インターの場合は、ファーストクラス(長距離のみ)、ビジネスクラス、エコノミークラスに分かれています。

どのクラスも、ミールサービス、ドリンクサービス、機内販売を行います。エコノミークラスでも食事の準備、ファーストとビジネスクラスは、食事の盛り付け、ドリンクも多くの種類があり、ドメよりやることが盛りだくさんです。

また機内販売も、インターは覚えきれない数があり、売り上げも高額になります。インターを経験してしまうと、ドメが休憩なんていうくらい楽に感じてしまいます。

2、事前準備の違い

まず、ドメとインターでブリーフィングデスクに集まる時間が違います。ドメはCA全体のブリーフィングが始まる5分前に集まりますが、インターは、ブリーフィングの約1時間前に集まります

全体ブリーフィングの前に、ミールサービスの計画、お客様の事前情報の確認、クラス内の目標設定、その国の入国に関わる準備などなど、出発前からやることがたくさんあるからです。

デスクに着く前に、自宅などで準備することが可能ですが、1時間前にデスクに行き、コミュニケーションを図るのが、暗黙の習慣なんです。新人はドメでも事前準備をしっかり行いますが、キャリアを積むと、事前準備は数分でフライトに臨んでいます

3、ステイの過ごし方の違い

ドメでもインターでもステイはあります。ドメは、その地方にある美味しいものを食べに行くことが多いです。

インターでは、その国の美味しいものはもちろん、観光や、その国にしかないものや、安いものを買ったりと、様々な過ごし方をします。どちらも普段は行かない場所に行くので、CAはステイを楽しんでいます。

4、体力的な違い

CAという仕事は、基本的に体力勝負ですが、ドメとインターでは違いがあります。

先ほどお話ししたようにドメはサービス内容が多くないのですが、インターはサービス内容が多く、お客様のリクエストや、予期せぬことが起きることが多く、体力が更に必要です

また長距離のフライトになると、長いと14時間のフライトになります。途中でCAもある部屋で眠るとこができますが、長くても2〜3時間ですし、ゆっくり眠ることができない人が多いため、体力が大事です。

ドメでもサービス内容は多くなくても、1日3〜4本、時には5本のフライトをすることもありますので、体力は必須です。本当、「空のガテン系」と呼ばれているのはこの辺から来てますね^^。
CA離職率の実態|辞めたいと思う理由ワースト5【空飛ぶガテン系】

5、精神的な違い

精神的に辛いのは、インターです。インターでは、よほど上のキャリアに行かない限り、勉強しなくてはいけないことが盛りだくさんなんです。

例えば、各クラスの責任者、食事の盛り付けやサービスを回す役割、何か事例が起きた時(急病人、エンタメ機器の不具合)などの対応方法、などなど、とにかくインターは『戦争』と言われるくらい、やることが多いのです。

そのためCAは、インターの前はフライトさえ乗り越えれば、ステイが待ってる。なんて思いながら頑張っています。

国内線と国際線のそれぞれの良さ

ドメとインターの違いをお伝えしましたが、両方に良さがたくさんあり、CAによってドメが好き、インターが好きと分かれます

ドメの良さ
・サービスが楽
・家に帰れる
・地方の美味しいものが食べられる
・精神的な辛さが少ない
インターの良さ

・色々なサービスができる
・海外に行ける
・普通の仕事では経験できないことができる
・精神的に強くなれる

ドメにもインターにも良さは様々あり、そのCAの性格によってどちらが好きか変わります。私は、海外が好きで、色々なサービスができるのが楽しかったので、精神的に辛くてもインターの方が好きでした

まとめ|国際線と国内線の違い

ドメとインターには違いがあり、そのそれぞれに良さがたくさんあります。

本記事のまとめ

・国内線国際線5つの違い
①サービス内容 ②事前準備の量 ③ステイの過ごし方の違い④体力的な違い ⑤精神的な違い

・それぞれの良さ
<国内線> ①サービスが楽 ②家に帰れる ③地方の美味しいものが食べられる ④精神的な辛さが少ない
<国際線> ①色々なサービスができる ②海外に行ける ③普通の仕事では経験できないことができる ④精神的に強くなれる

どちらもCAでしか経験できないことがたくさんあります。みなさんは国内線と国際線どちらが好きになれそうですか?

ぜひマルチにフライトして、両方の良さを経験してください♪

確かに1年目・2年目は大変かもしれませんが、フライトを経験する度に「一流のサービス」が身についていきます♪
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