CA機内アナウンスのセリフと厳しい訓練【リアルな裏側】

「機内アナウンスにはどんなセリフがあるの？」
「訓練は厳しい？上手にアナウンスするコツはある？」

ハンドセットを片手に、格好よく機内アナウンスをキメるCAの姿には憧れますよね。

実は、機内アナウンス担当のCAになるには、会社の認定するグレードを取得しなければなりません。

本日は、元JALの国際線CAが「機内アナウンスの種類や厳しい訓練」をおもしろ裏話と一緒にご紹介します。

最後に実際のアナウンスのセリフと、上手に聞こえるポイントをご用意しています。CAになりきってトライしてみてくださいね！

本記事の内容

・CA機内アナウンスのセリフと厳しい訓練
・アナウンス担当CAにはグレードが必要な話

３分ほどで読めます。おつきあい下さい♪

CA機内アナウンスのセリフと厳しい訓練

１つ１つ、丁寧にアナウンス訓練を行います。

CAの機内アナウンスは全部で７種類

主に機内アナウンスを行うのは、チーフとチーフによってアサインされたアナウンス担当CAです。

ご搭乗時や降機時、イレギュラーやエマージェンシーに関するアナウンスはチーフが行い、フライト中はアナウンス担当のCAがアナウンスを行います。

フライト中の機内アナウンスには、次のようなものがあります。

・離陸前　シートベルト着用確認
・離陸後　シートベルト着用サイン　オフ
・就寝旅客へのシートベルト着用案内
・機内販売開始、終了案内
・到着前　到着地情報案内
・到着時刻、天候、気温、乗り継ぎ
・入国に関する情報と案内
・着陸前　シートベルト着用確認

機内アナウンスは、基本的に日本語と英語で行います。

路線によっては、その後にフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、タイ語などが続く場合もあります。

本当にあった、まさかの口パク？

これは、私の話です。

御冗談がお好きの男性チーフと同乗時のこと。

成田発、ソウル行の便で、チーフのご搭乗時のアナウンスが日本語と英語で実施されました。機内に同内容の韓国語のアナウンスが録音されているので、その後にそのスイッチをオンにするのが私の役目でした。

オンと同時に、チーフから「ほらっ」と、アナウンス用のハンドセットを手渡され、お客様からよく見える位置に立たされました。

「む、無理です」の抵抗は通用せず、逃げられない状況でやるっきゃないと観念し、意を決しました。

にっこり笑顔でお客様に一礼し、録音アナウンススタートと同時に、まさかの口パク！！

流暢すぎる韓国語にお客様の視線が釘付け！驚きのあまり、半口を開けてご覧になっていらっしゃる方も。

私は、お客様の反応がおかしく感じられ、あろうことか途中で吹き出してしまいました。

続くアナウンス。何が起こったのか理解できないお客様は、しばし呆然。その後、客席は爆笑。20年前のこと、もう時効ですので何卒ご容赦ください。

CA　機内アナウンスの訓練

グレードには５段階あります。そして教官がコワい^^;

アナウンス担当に指名されるには上級グレード取得が必要

CAとして入社すると、基礎訓練に入ります。その訓練には機内アナウンスの授業もあります。
訓練終了時には「機内実施可能」なグレード取得を目指します。

グレードには5段階あります
・他のCAの模範となるレベル
・表現力、技術が安定し、心地よい印象のレベル
・機内実施の望ましいレベル
・機内実施可能レベル
・機内実施不可レベル

訓練中は自分でアナウンスを録音して、教官に提出。教官からのコメントがフードバックされ、それを元に練習、録音、提出。

これを何度も繰り返して、やっと「機内実施可能」グレードが取得できるようになるんですよ。

ただ、実際のフライトでアナウンス担当にアサインして貰うには「機内実施の望ましいレベル」以上が必要なので、CAは、フライト前やフライト後、休日などにアナウンストレーニングルームに通って、更なる上達のために頑張っています。

この業務技量向上努力を怠っていると・・・　グループのチーフやマネージャーから、「ちゃんと頑張ってくださいね」とのチェックが入ります。

CA ライフは、勉強と努力の連続です。

CA機内アナウンス　心に響くポイント

アナウンスは一方的に大勢の方に向かって話をするスタイル。何も意識しないと、聞いている方には聞き難かったり、意味が不明瞭の印象を与えてしまいます。

機内アナウンスには、安全や到着に関する情報など重要なご案内も多くありますので、「何か言ってたけど、何だったの？」ではいけません。

また、お客様は各自、音楽や映画を楽しまれていらっしゃいますが、機内アナウンスはそれらを優先してお客様に伝達されますので、お客様の楽しいお時間を中断している一面もあるのだということも、自覚しておかなければなりません。

ですから、CAの機内アナウンスには、きちんと明瞭に、心地よく聞こえるためのテクニックがあるのですよ。

それらの一部をご紹介すると、下記のようなポイントがあります。

・印象
分かりやすさ / 明るさ、温かさ / 滑らかさ

・技術
発音 / 抑揚 / アクセント / 速度 / 間合い

CAの機内アナウンスには、お客様の心に響かせるための、いろいろな工夫がされているんです。

実践！　離陸前　シートベルト着用確認アナウンス

では、皆さんもCAになった気持ちで「離陸前　シートベルト着用確認アナウンス」にトライしてみましょう。

機長からCAに、離陸の合図が入りました。
さぁ、ハンドセットを手に取って！

「ご案内いたします。
この飛行機は　間もなく離陸いたします。
シートベルトを　もう一度　お確かめください。」

このアナウンスのポイントは

ご案内いたします。（←センテンスの山を「案内」にもってきて、出だしの「ご」から最後の「ます」まで、なだらかな山を描くように）
（2拍　間をおく）
この飛行機は（1拍　間をおく）　間もなく（←明るく自然な高さでイントネーションを目立たせる）離陸いたします。
（2拍　間をおく）
シートベルトを（1拍　間をおく）　もう一度（←ややゆっくり。イントネーションを目立たせる）（1拍　間をおく）　お確かめください。

いかがでしたか？上手に出来ましたか？就活を頑張っている皆さまが、いつの日かCAとして大空へTAKE　OFFすることを、心から祈念しております。

CAの機内アナウンスのセリフを練習したい！

「CAのアナウンスを練習したい！」そんなCA受験生も多いのではないでしょうか。

携帯電話の録音機能を使って、CAのアナウンスを練習してみましょう♪

アナウンスのお手本を手に入れよう！

CAのアナウンスの練習をする際に必要なのは、アナウンスの「お手本」です。

まずは、アナウンスでどんなセリフを言っているのか、どんな風に話しているのかを聞いておく必要がありますよね。

実際に飛行機に乗った時にCAのアナウンスを録音する
インターネットで検索する
身近にCA経験者がいる場合は、直接聞いてみる
CA雑誌を参考にする

機内でアナウンスを入れているCAは、「機内実施可能なグレード」を取得していますので、そのアナウンス自体が「お手本」です。

飛行機を利用することがあるのであれば、携帯電話の録音機能を使えば、簡単にアナウンスを記録しておくことができますね！

アナウンスを何度も聞いてみよう！

お手本のアナウンスを何度も聞いて、どんなことに気をつけているか考えてみてください。

どこを強調しているのか
ゆっくり読んでいるところはどこか
英語の発音
アナウンスのスピード
声のトーン

ちなみに、英語のアナウンスが実施されるかどうかは、その便に外国籍のお客様が乗っているかどうかで決定します。

ですから、日本語のアナウンスだけの場合は、「その便に外国籍のお客様はいないとCAが判断した」ということになります。

もし、外国籍のお客様がいるのに英語のアナウンスが実施されない場合は、次のことが考えられます。

外国籍のお客様が日本語を理解できる
外国籍のお客様のお連れさまが日本語を理解できる

自分の声を録音してみよう！

さて、お手本を何度も聞いて、機内アナウンスのセリフを覚えたら、実際に口に出してみましょう。

その際には、ぜひ、自分の声を録音することをオススメします。

録音した自分の声って聞いたことありますか？「えっ！私の声ってこんな声なの？！」とびっくりしますよ(^^;)

録音したアナウンスを聞くときは、次のことに気をつけてみてください。

アナウンスの際のチェックポイント

声のトーン
声の明るさ
きちんと発音できているか
アナウンスのスピード
明瞭に話せているか
安心感を与えられているか

ぜひ、「相手に伝える気持ち」でアナウンスしてみてくださいね♪

ちなみ、機内アナウンスは明るく、高めの声で入れるのがポイントだと言われています。

ただ、私の場合は元々の声が高かったので、そのままアナウンスするとどこかのテーマパークのアナウンスのようになってしまい、幼い印象になってしまうので、低めに入れて安心感を出せるように心がけていました。

CA機内アナウンスのセリフ訓練で大切なもの

今回は、CAの機内アナウンスにまつわる話を、おもしろ裏話などを交えながらご紹介しました。

・機内アナウンスの種類
安全やサービス、到着に関する案内や情報など多岐にわたります

・機内アナウンスおもしろ裏話
有名機長や、CAの結婚式と言えば！の「寿アナウンス」、口パクCAのお話しでした

・機内アナウンスのリアル
アナウンス担当CAになるまでの道のり、上手に聞こえるポイント、実際のセリフをご紹介しました。

機内アナウンスのセリフは会社の指定するものですが、お客様の心に響かせられるかどうかは貴女次第。アナウンスで、お客様のフライトを心地よく演出できるCAになってくださいね！