・ファーストクラスって入社から何年くらいで担当できるのかな。
・待遇や手当てなどは上がる?他のメリットも知りたい!

 

 

今回はこのような疑問にお答えします。

日本を代表する航空会社JAL。そのファーストクラスには、各国の要人や、一流企業の社長など、名だたるお客様が搭乗します。

そういった方々に満足していただけるおもてなしをするということは、JALのCAにとって、目標であり、憧れでもあります。では、ファーストクラスを担当するようになるまで、どのようにステップアップしていくのでしょうか。

本記事の内容

・JALファーストクラスを担当できるまでの道のり
・JALのファーストクラス担当CAのメリット、デメリット

実際に国際線ファーストクラスを担当しいた元JAL客室乗務員がお話しします。この記事を読めば「JAL客室乗務員がファーストクラスを担当するまでのキャリアパスやメリット」などが分かります。

3分ほどおつきあいください♪

Sponsored Link

JAL客室乗務員のファーストクラス訓練までのキャリアパス

まずは入社後の流れをざっくりとこんな感じ。

国内線訓練   → 2ヶ月
国内線乗務   → 1年〜1年半

国際線訓練   → 1ヶ月半
国際線乗務   → 2年
ファースト訓練 → 5日間

その分責任はありますが、入社後早い段階で、一流のおもてなしを提供する先輩方、またお客様と対峙することができる環境は他になく、素晴らしいものだと思います。

ファーストクラス訓練に入るまで、入社年度や個人の慣熟の度合いによりますが、大体3年〜4年かかります競合他社と比べると、約半分の歳月でファーストクラスを担当することができます。

また、豆知識ですが、国内線のファーストクラスは入社後約一年前後で任されます。機材にもよりますが、多くは、そういった新人CAと、国際線ファーストクラスの経験がある中堅CA、そしてチーフキャビンアテンダントの3人でサービスをします。

訓練に入る前には審査がある!

それぞれの訓練に入る前には、その段階に応じたサービス技量があるか、保安に関する知識が十分にあるかを、グループの一番ベテランであるCAと、またその上司であるマネージャー同乗のフライトで審査されます。

ファーストクラス訓練の前のビジネスクラスチェック
・路線ごとのサービスの違いを細かく理解してるか
・どんな状況であっても笑顔か
・お客様のニーズを汲み取ることができているか

このチェックフライトは大変緊張するものですが、日々の積み重ねをグループのベテランCAさんは見ているので、多少の失敗も見逃してくれます。いつも通りやれば何の問題もありません。

審査に向けてすべきこと

JALのCAはおのおの、自分に何が足りていないのか、また何が長所なのか把握するための、いくつかの評価項目を持っており、毎年上司よりフィードバックがなされます。

例えば、笑顔、身だしなみ、立居振舞い、コーディネーション力、コミュニケーション力等。それらを把握し、日々のフライトで磨いていくことが、ファーストクラス担当までの道のりとなります。

また、英語力も大事な審査対象となっており、国際線訓練に入る前には一定基準以上のTOEICスコアを求められ、それに追加して英語のペーパーテストが実施されます。また、機内アナウンスの練習、ソムリエの資格取得など、自己啓発に励むCAも多くいます。

参考記事 ⇒ CA就活が有利になる資格・スキルのベスト5【貴方だけのサービス】

JAL客室乗務員のファーストクラス訓練の内容

・サービス訓練

さまざまな状況下でのお客様への対応力をロールプレイでチェックされます。

(ワインのおすすめの仕方、お酒は召し上がらないとおっしゃったお客様へのお食事とお飲み物のプレゼンテーションの仕方、「疲れている」と一言おっしゃったお客様への配慮の方法、ご夫婦で銀婚式で乗ってらっしゃったお客様へお声がけ等)

普通席やビジネスクラスと比べて、ファーストクラスではお客様の過ごし方、空気感を大事にします。例えば「疲れている」と仰った方に、離陸後すぐにお食事の案内はしません。よく会話を積み重ねながら、すぐお休みになりたいのか?それとも簡単に食事を済ませてからお休みになりたいのか等、細かく要望を汲み取っていく努力が必要です。そういった力を養っていくため、こういったサービス訓練をします。

・英語訓練

当たり前ですが、英語力は必須

JALのファーストクラスには、路線にもよりますが外国籍のお客様が多く搭乗されます。

お客様の多くは、日本が大好きでお乗りになっており、機内の和食やJALのおもてなしに大変期待されています。最初と最後の”日本“の思い出が素晴らしいものとなるよう、英語でのお食事の説明方法や、接客英語を学んでいきます。

また、ロールプレイによって、外国籍のお客様との会話や、提案力なども実践し、教官のアドバイスを頂きながら学んでいきます。「私は英語が苦手だから…」と思った方でも大丈夫です。訓練前には詳しいマニュアルが配布されるので、それをしっかり覚えればなんとかなります。

この訓練を経験したことで、今では食材や魚の英語名の知識が増え、海外旅行でレストランに入った時もスラスラとメニューの内容が頭に入ってくるようになりました…!

・お酒の知識

食事にとどまらず、JALのファーストクラスで飲めるお酒も超一流で、一本10万円を超えるシャンパンも時期により乗せています。

ワインだけでも赤白合わせて約8本乗せており、その一つ一つの味わいから、路線ごとに異なり、季節によって替わるお食事とのマリアージュも説明できるようになる必要があります。

訓練では、教官がお客様役となり、和洋のコースメニューからランダムに選んだものに「一番合うものは?」という質問を投げかけられ、即座に答えなければいけません。

ただ実際にファーストクラスを担当する際は、訓練の時ほど完璧には覚えられず、そして間違ってもいけないので、小さなメモに書いて、お客様に説明する前にこっそりと予習をしていました…(こんなCAにはならないようにしてください^^)

JALのファーストクラス担当CAのメリット、デメリットは?

これを読んだらあなたもファーストクラスを担当したくなります♪

・ファーストクラス担当のメリット

やはりなんと言っても、第一線で活躍されているお客様とお話しすることができる点です。お仕事が忙しく、機内では殆どお休みになる方もいますが、一方で、乗務員に対してフレンドリーに、そして対等な立場でお話ししてくださる方が多くいらっしゃいます。

憧れの芸能人や、大企業の社長など、会話の引き出しや身のこなしなど見習うべき点が多く、もちろん業務中ですのでプライベートな会話はできませんが、自己の成長に繋がると思います。

エコノミーほど消耗しない♪

また、普通席やビジネスクラスを担当するより、圧倒的に体が疲れません。ファーストクラスはCA3人で8人を、ビジネスクラスは5人で約45人を、普通席は5人で約200人を担当します。

もちろんその分提供するサービスの厚みはファーストクラスが重いですが、歩くエリアは狭く、普通席で使用するようなカートの押し引きなどの力仕事はほとんどありません。

あと私が密かに楽しみにしていたのは、ファーストクラスで提供するお食事を、「勉強のために」頂けることです♪ (もちろんお客様に提供して余ったものです)普段あまり見かけない食材を口にすることができるので、仕事を始める前から楽しみで仕方ありませんでした。

ファーストクラス担当のデメリット

慣れるまで緊張の連続、という点です。JALのファーストクラスに搭乗されるお客様は、常日頃から一流のレストランやホテルなどでサービスを受けているため、中には厳しい目をお持ちの方もいらっしゃり、小さな失敗もしてはいけません。

お食事に関しても、他クラスと比較しても以下のようにお出しするメニューの量は多く、覚えるべき知識量は増えます。

和食を例にすると、

普通席      → トレーを1アクションで提供
ビジネスクラス  → 先付/彩御膳/台の物/甘味
ファーストクラス → アペタイザー/先付/お椀/海鮮/台の物/甘味

メニューの紹介も具材や召し上がり方などの説明も増えるので、慣れないうちはお客様の前に立つことが恐怖でしかありませんでした。ただしそれまで培ってきたものもありますので、すぐに慣れます。

まとめ|CAはファーストクラスを持って一人前

普通席は全体の最適化、ビジネスクラスは個々の上質な時と空間、ファーストクラスは最上級のおもてなし。それぞれのクラスで求められる技量を磨きながら、ステップアップしていきます。

ファーストクラスを担当するようになるまで、私はとても長く感じました。それだけに、初めて担当できた日は感動が大きく、自分のしたことよりも、身のこなしや言葉遣いなど、一流のお客様から学ぶことの方が多くありました。

CAという職に憧れを抱く人が多いのは、きっとこういったお客様から吸収したものを、なんとなくですが自分のものにした素敵な女性が多いからというのも理由の一つだと思います。

CAを目指す方、またこれから訓練だよ、という方、その先には普通では味わえない経験が待っています!

きっとその先には、今ではまったく想像し得ない、新しい自分がいるはずです。

参考記事 ⇒ JAL客室乗務員になれる人の3つの条件・資質【 一緒に働きたいと思わせろ♪】