『外資系エアラインのCAは必ず海外に拠点をおく』と思っていませんか? 外資系エアラインの中には、日本ベースとして日本に拠点を置きながらフライトできる会社が数多くあります。

『国際線を飛びたいけれど、日本で生活したいから日系エアラインを志望している』という人は、日本ベースの外資系エアラインという選択肢もありますよ。

記事内容

・日本ベースのメリット・ディメリット
日本ベースの外資系エアライン10社をまとめてみた。

この記事では、日本ベースの外資系エアラインの紹介だけではなく、日本ベースと外地ベースの違いや、日本ベースのメリット・デメリットについても解説します。

3分ほどお付き合いください。

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日本ベース・外資系エアラインのメリット・ディメリット

日本ベースと外地ベースは何が違うの?

エアラインでは、CAのフライト拠点となる場所をベース(Base)と呼びます。

たとえば、日系エアラインであれば羽田発着便メインのフライトに乗務するようであれば羽田ベースとなり、大阪発着便メインのフライトであれば大阪ベースです。

日本ベースと外地ベースの違いは、CAのフライト拠点となる場所が日本か海外(外資系エアライアンの本国)かの違いです。

基本は、ベースの場所がそのまま生活拠点になることが一般的です。たとえば、中東のエミレーツ航空はドバイベースのため、ドバイに住居を構え生活拠点は日本ではなくドバイになるので外地ベースの外資系エアラインです。

一方、日本ベースの外資系エアラインは、日本ベースとして日本に生活拠点を置いたままフライトをするため、現地に滞在中は基本ホテルステイです。トレーニングなどは現地で行うため、入社してトレーニング期間中は海外に滞在する必要があります。

日本ベースのメリット

日本ベースには、魅力的なメリットがあります。ここでは、メリットを2つ紹介します。

生活環境が変わらない

日本ベース最大のメリットは、生活環境が変わらないことです。日本ベースですので基本は休日も日本で過ごすことが多く、海外で生活することに比べるとCAになる前の生活を引き続き続けられるという点がメリットです。

家族や親しい友人とすぐに会うことができ、プライベートも今までと変わらずに生活することが可能です。生活環境を変えずにフライトができるという点は、日本ベースの大きなメリットと言えます。

日本に拠点があるのでライフプランが立てやすい

日本ベースのもう一つのメリットは、ライフプランが立てやすいことがあげられます。他社への転職や、CAではなく新たなキャリアパスを考えた際に、日本ベースは転職活動がしやすい点は大きなメリットです。

外資系エアラインの外地ベースの場合、日本で他社の面接試験があってもスケジュールの都合で必ず行けるという保証はありません。また、結婚や出産など人生の大きなライフステージの変化の際に、外地ベースでは日本にいる家族と離ればなれになってしまうので続けることが難しい場合もあります。

その点、日本ベースであればライフプランが立てやすく大きなメリットと言えるでしょう。

日本ベースのデメリット

日本ベースにもメリットだけではなくデメリットも存在します。ここでは、日本ベースのデメリットを2つ紹介します。

会社の業績悪化などでリストラ対象になりやすい

外資系エアライン日本ベースのデメリットの一つとして、業績悪化などでリストラ対象になりやすい点があげられます。外資系エアラインにとって、日本ベースは数ある海外支店の中の一つにすぎません。

会社の業績が良くない場合、海外ベースのCAや海外支店のオフィスが真っ先に対象になりやすく、本国ベースのCAはフライトが継続できても、海外ベースのCAの契約が切られるということも起こります。

実際に、2020年に韓国の大韓航空は、日本ベースのCAの半数にあたる20名程の契約を更新しなかった経緯があります。外資系エアラインの日本ベースは、メリットもある反面、リストラ対象になりやすい点がデメリットといえるでしょう。

乗務路線が日本線メインになる

外資系エアライン日本ベースのもう一つのデメリットとして、乗務路線が日本線メインになりやすいことがあげられます。外資系エアラインでは、国籍関係なく全路線に乗務する会社と、日本線メインに乗務する会社があります。

日本ベースのCAは、日本線の日本語スピーカーとして配置している場合が多く、必然的に日本線乗務メインになりやすい傾向があります。もちろん、中には日本ベースでも他の路線に乗務できる会社もありますので、必ずしも日本ベースの外資系すべてに当てはまるわけではありませんが、日本線メインになってしまうことはデメリットの一つといえます。

日本ベースの外資系エアライン10社をまとめてみた。

日本ベースの外資系エアラインを10社紹介していきます。いまだ航空業界は新型コロナウイルスの影響を受け、日本人CA採用状況は先が見えない状況です。しかし、少しずつですが外資系エアラインから募集が再開してきました。将来のCA受験に備え、志望先選びの参考にしてみてください。

日本ベースの外資系エアライン10社
  1. KLMオランダ航空
  2. スカンジナビア航空
  3. フィンランド航空
  4. スイスインターナショナルエアラインズ
  5. 大韓航空
  6. アシアナ航空
  7. エバー航空
  8. チャイナエアライン
  9. ガルーダ・インドネシア航空
  10. 中国南方航空

1つずつ見ていきます。

KLMオランダ航空

オランダのナショナルフラッグキャリアであるKLMオランダ航空は、欧州を代表するエアラインの一つです。

数年に1度の頻度で、日本ベースの日本人CAを採用しています。契約期間は3年間で、契約期間満了時にはKLM側から1年間の更新を提案されることもありますが最長5年です。日本ベースのため片道ずつ別のクルーとフライトですが、オランダ人はオープンでフレンドリーなので、すぐに打ち解けることができます。

スカンジナビア航空

スカンジナビア航空は、デンマーク・ノルウェー・スウェーデンの北欧3カ国共同運営の航空会社で歴史のあるエアラインの一つです。前回の採用が2011年とかなり長い間募集がないことからも、働きやすさが伺えます。

前回の募集では、TOEIC800点以上と高い語学力を求められました。いつ採用があるかはわからない会社ではありますが、常に語学力をブラッシュアップしておきましょう。

フィンランド航空

北欧フィンランドのナショナルフラッグキャリアのフィンランド航空は、フィンランドのヘルシンキを拠点にしています。2017年に日本人CAを募集しました。フライトは月に3-4本程度、日本とヘルシンキを往復します。

経験をしっかりと評価してくれる会社ですので、既卒受験者にもチャンスがある航空会社です。

スイスインターナショナルエアラインズ

スイスインターナショナルエアラインズは、2002年にクロスエアーから名前を変更して運航を開始したスイスと日本の唯一の直行便です。

フライト数は月に3-4本程度ですが、スイスインターナショナルエアラインズでは働き方を重視しているので、フライトの割合をいくつのプランから選べるようになっています。ライフワークバランスを重視した航空会社といえます。

大韓航空

大韓航空は韓国最大手の航空会社で、日本ベースでも成田ベースと関空ベースがあります。日本ベースで日本線乗務はあるものの、成田発のアメリカ線にも乗務できるなど他路線にも乗務できる点が魅力です。

面接では韓国語の可否も聞かれますが、必須ではありません

アシアナ航空

アシアナ航空も大韓航空に次ぐ韓国の大手航空会社です。こちらも日本ベースで、東京・大阪・名古屋・福岡と日本のベース地も4カ所と多いのが特徴です。また新卒も積極的に採用している会社で、学生でも在籍しながらフライトをしているCAもいます。

語学力もTOEIC500点以上と求められる語学力は欧州系に比べるとそこまでは高くありません。韓国語ができるとなお良いですが必須ではありません。

エバー航空

エバー航空は台湾初の国際線民間航空会社として1989年に設位された会社です。エバー航空では、日本ベースとして羽田・関空ベースがあるだけではなく、採用当初の3年間の契約を満了するとそれ以降は正社員に切り替わります。

外国人乗務員にも台湾人と同様の昇進のチャンスがあり、とても働きやすい環境のため大変人気があります。

チャイナエアライン

チャイナエアラインも台湾の航空会社で、日本ベースのCAを採用しています。ベースは主に東京ですが、日本各地の就航路線と台湾を主にフライトします。

チャイナエアラインもエバー航空と同様に最初は契約制で更新をしていき、いずれ正社員登用の可能性もあります。エバー航空と同様、アジア系で正社員登用の可能性があるのは珍しいといえます。

ガルーダ・インドネシア航空

ガルーダ・インドネシア航空はインドネシアのナショナルフラッグキャリアで、羽田・成田・関空ベースの日本人CAが在籍しています。主に、日本とインドネシアをメインに乗務します。

中国南方航空

中国南方航空は、中国で最大の路線網を持ち保有機数は世界4位の航空会社です。主に中国南部の広州を拠点に世界中に路線を広げています。日本人乗務員も東京ベースで採用しており、契約は更新制の契約社員です。

トレーニングなどは英語で行われますが、中国語ができると尚いいでしょう。

まとめ|日本ベースの外資系エアライアンは魅力がいっぱい

いかがでしたか?外資系エアラインの中にも日本にベースを置きながらフライトできる会社がたくさんあります。

日本ベースのメリット
・生活環境が変わらない
・ライフプランが立てやすい

日本ベースのデメリット
・リストラ対象になりやすい
・乗務路線が日本線メインになりやすい

自分のライフプランやキャリアパスに合わせて一番ぴったりのエアラインを見つけてください。