「CAになりたい!」と思い、高い倍率をくぐり抜けて、念願叶ってようやくCAになったのも束の間、今度は「CAを辞めたい!」と思う時期がきます。
さて、CAたちはどんな時に、この仕事を辞めたいと思うのでしょうか。
・せっかう叶えたCAを辞めたいと思う時
・やめたいを乗り越えたら…それでもCAは楽しい仕事
3分ほどで読めます。おつきあいください。
CAを辞めたいと思う時
CA訓練は辛い!
CA試験に合格し、明日からは憧れのCA!・・・と言いたいところですが、CAとしてフライトするには約1ヶ月もの新人訓練を受けなければなりません。
訓練は学校と同じように、平日の朝から夕方まで。
「なーんだ、楽勝!」と思いましたか?
実は、学校とは比べ物にならないくらい、厳しいんです。
- 毎日覚えることがいっぱい(毎日のようにテストあり)
- 寝る間を惜しんで勉強(居残りで自学習、早めに出社して朝学習など)
- 教官はとっても厳しい(事業中の居眠り、廊下で言動、お手洗いの使い方まで厳しくチェック!)
- 出退社時の服装・メイク・ヘアスタイルは乗務の時と同じように。(朝から準備が大変!)
ワクワク・ドキドキ気分で始まるCAの新人訓練ですが、訓練の終盤には多くの訓練生たちが精神的に追い込まれています。
そんな時「本当に辛い!CAになるのがこんなに辛かっただなんて!」「こんなにしんどいなら、CAなんて辞めてしまいたい!」と考える人もいます。
実際に、CAを辞めた人の転職先を知りたい方は、CAの転職先ベスト5♪ 退職後のセカンドキャリアの作り方で詳しく解説しています。合わせてどうぞ。
私、CAに向いてないかも
新人訓練を無事に卒業すれば、晴れて憧れのCAです。
「ようやく憧れのCAデビューだ!がんばるぞ!」という意気込みで仕事に向かうわけですが、早速試練が待ち構えています。
- 訓練が役に立たないほど、業務の流れが早い!(訓練はなんだったの!)
- 先輩のサービスも早い!(全然ついて行けない)
- 様々なお客様に同時に対応する必要があってパニック!(訓練の時は、一つずつだったのに。)
- なにから手をつけていいのやら、わからなくなる!(教官、助けて!)
- 忙しすぎて、真顔に・・・(注意されるまで気づかない)
イメージしていたCAの足元にも及ばないほどバタバタして、1日が終わります。オフィスに帰って来る頃には、心身ともにグッタリ。
新人訓練では、基本的なことだけしか教えてもらえないので、実際の業務は現場で覚えるしかありません。
私も新人の頃、なにをやっても先輩CAの足手まといになってしまうことが多く、本当に自分が情けなく、辛かったです。
「この仕事、向いてないかもしれない・・・」と何度も思いました。
でもそのたびに、なぐさめてくれる優しい先輩がいたり、新人訓練を一緒にがんばってきた同期が励ましてくれたりするので、なんとか辞めずにこの仕事を続けてこられたんだと思います。
向いているor向いていないについてもっと知りたい方は以下をどうぞ♪
【私ってCA向いてるの?】客室乗務員に必要な能力・資質ベスト3
CAの人間関係
CAは圧倒的に女性が多い職場ですので、人間関係もちょっと複雑で、上下関係の厳しい体育会系。
実際のところ、私が働いていた会社では、お客さまに気を遣うというよりは、先輩に気を遣って働いているようなところがありました。
先輩を気遣い、後輩としての役目を果たさなければ、働く上で支障が出ることもあるので、毎回初めての人と仕事をする時は緊張したものです。
そのような現実を目の当たりにして「私が憧れていたCAってなんだったんだろう。」と疑問に思ったことが、CAを辞めるきっかけになることもあります。
年に一回の定期救難訓練
CAにとっての一年に一回の大イベント、それが定期救難訓練です。
定期救難訓練とは、飛行機の緊急時に備えての訓練で、CAはこの日、訓練センターに集合し、丸一日訓練を受けます。
- 筆記試験(マニュアルの内容、業務の変更点、救急法など)
- 飛行機のスライド滑走、救命ボートへの移乗
- 飛行機の機材ごとのドアトレーニング
- 緊急時に旅客を誘導するための文言のチェック
- モックアップ(飛行機の模型)を使って、緊急時のロールプレイテスト(CA役とお客さま役に分かれて実施)
この定期救難訓練のテストに合格できなければ、翌日からフライトすることができませんので、事前学習は必須です。
定期救難訓練が終われば「やっと終わった!来年の定期救難訓練までには辞めたい」と、CAはみんなが思っています。(^^)
やめたいを乗り越えたら…それでもCAは楽しい仕事
「ありがとう」はやっぱり嬉しい
CAを辞めたいと思うタイミングはいろいろありますが、やっぱり魅力的な仕事なので、思いとどまることになります。
- 自分のポジションがうまく回せた
- お客さまからお褒めの言葉をいただいた
- 先輩CAに褒められた
- 後輩CAが慕ってくれた
- CAを目指すお客さまとの出会い
何と言っても、お客さまに笑顔で「ありがとう」と言われると、とても嬉しく思いますし、CAをやっていてよかったなぁと思います。
CAさん達の生のご意見は【辞めた今だから言える】CA(客室乗務員)になって良かったことにまとめています。
CA受験者との再開
ここで、私が嬉しかったエピソードをご紹介しましょう。
ある日、私が乗務していた便にCA受験者らしきお客さまがいらっしゃいました。
声をかけてみると、今からまさに私たちの航空会社の試験に向かうところ、とのこと。
がんばって欲しい思いを込めて「いつも通りの力が出るキャンディ。緊張しないで、笑顔でがんばって!」と書いた、キャンディの小袋をプレゼントしました。
その受験生は大変感動してくださって、何度も「ありがとうございます!」と言って降りていかれました。
それから2年後、その日もあの時と同じようにCA受験者らしきお客さまが乗っていらっしゃいました。
その情報を他のCAと情報共有していた時に、新人CAさんが「私が、メッセージ書いてもいいですか?」と言って、キャンディの小袋に文字を書き始めました。
「私が受験で飛行機に乗った時に、これをいただいて嬉しかったんです。その時は不合格だったのですが、そのキャンディの袋をずっとお守りにしてがんばったんです。」と話しながら・・・
「もしかして・・・」と思い、その時の状況を確認したところ、まさにあの時の受験生だったんです!
2年越しの、感動の再会でした。「あの時のCAさんみたいなCAになろうと心に決めて、がんばったんです。」と言っていただいた時は、感動で泣きそうになってしまいました。
こんなことがあるから、CAは辞められないんですよ♪
CAを辞めたいと思った時には
CAになりたかった時のことを思い出す
一番効果的なのは、「CA受験をしていた頃のことを思い出す」ことです。
どうしても「CAになりたい!」と思い、CAになることに憧れを持っていたあの時・・・
いろんな努力をして、少しでも夢に近づけるようがんばった結果、ようやくCAになれたんです。
実際働いてみて、思い描いていたCA像とはちょっと違ったかもしれませんが、「みんなが憧れるCAになれたんだ!」と思えば、もう少し頑張ろうと思えます。
CAの同僚と盛り上がる
CAをやめたくなってしまった時は、CA同士で盛り上がってストレス解消!
CAは少なからず、みんなおんなじ悩みを持っており、同じようなストレスを抱えています。
仲のいいCA同士、ワイワイとガールズトークに花を咲かせれば、「今悩んでいるのは自分だけではないんだ」ということに気付けたり、「こういう風にすれば解決できるのかも」という、生き方のヒントをもらえたりします。
問題は、なかなか仲のいいCA同士のスケジュールが合わないことでしょうか・・・(^^;)
思い切って長期のお休みを取る
CAというお仕事に疲れ果て、もし本当に「CAを辞めてしまいたい」と思っているのなら、思い切って長期休暇を取ってみてはいかがでしょうか。
有給の日数は決まっているので、最初に取りすぎてしまわないことが大前提ですが・・・(最初の頃は、まだ頑張りがきくので、なるべく有給を残しておきましょう♪)
2ヶ月先あたりに、長期休暇を利用しての旅行や帰省を計画すれば、それを目標に「頑張ろう!」と思えるはず。
CAをやめるか否かは、長期休暇が終わってから考えても遅くありません。
まとめ|やっぱりCAになってよかった!
CAを辞めたいと思うタイミングはいろいろ
CAに合格したと言っても、実際にデビューするまでには時間がかかります。また、やっと憧れのCAとしてデビューしても、怒られることばかり。
でも、どんなベテランCAも最初は新人でした。いつかは仕事にも慣れるはず。
そして、ベテランCAにもCAを辞めたくなることがある、ということをお話ししました。
- CA新人訓練は厳しくて辞めたくなる
- CAデビューしてからも、仕事に慣れるまでには時間がかかる
- 人間関係が嫌になる
- 知識の更新が多いが、記憶力に自信がなくなる
- 年に一回の定期救難訓練
辛いことはいっぱいありますが、CAをやっていてよかったと思うことも多いので、CAはなかなか辞められません。
仕事は辛いが、楽しいこともいっぱい
CAはどんなに辛いことがあっても、やっぱり人との交流が大好きな人たちが多いです。
お客さまからの「ありがとう」はもちろん嬉しいですが、その言葉に笑顔があるともっと嬉しいです。
さらに言えば、名前を覚えていただけるともっともっと嬉しくなり、さらにがんばって働こう!という気持ちになります。
自分が誰かの「憧れのCA」になれたなら、こんなに嬉しいことはありません。皆さんが誰かの「憧れのCA」になれる日を、楽しみにしています。